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牛黄製剤のまたまたの値上げに腹がたつ [仕事のこと]

 疲労回復にすこぶる効く漢方高貴薬「牛黄(ごおう)」というものがある。その値段は、昔からバカ高かったのだが、近年、じりじりと値上がりしている。これは、中国が大きく経済成長し、富裕層が牛黄を飲み始め、そして備蓄するようになったのが原因している。備蓄の目的は「癌に効く」牛黄であるからして、もし癌を罹ったらしっかり飲めばいいし、罹らなかったら売ればいいという、ちゃっかりした考えがある。加えて、コロナに罹って重症化した場合にも効果があったそうで、そのためにも人気を博しているようだ。そうしたこともあって、今では、将来価格が必ず上昇するであろうと投機対象となり、ますます品薄となって、一本調子で値上がりし続けている。
 その牛黄は、牛にできる胆石で、ヒトにも滅多にできない胆石であるからして、と殺した牛の1千~1万頭に1頭程度からしか見つからない。そうしたことから、供給量はとても少なく、日本国内で見つかる牛黄はどこかで止まってしまっているようで市場に出回っていない。中国も国内生産ではとうてい賄えず、南米とオーストラリアからの買い付けが主だ。日本も同様であるが、買い付け力は中国の足元にも及ばないらしく、中国のバイヤーがあらかた買い占めているようで、日本の製薬会社は中国から買っているようだ。なお、供給力として米国が大きいように思われるも、狂牛病問題が出て以降は米国での牛黄採集は止まっているようで市場に出てくることはないという話である。
 こうしたことから、日本の漢方系製薬メーカーは、牛黄製剤を製造できなくなったり、大幅な値上げをするしかなくなった。当店が取引している製薬メーカーは1社であるが、ここ数年で3回値上げがあったし、最近は出荷制限が続いていて、小売店は前年実績を超えての仕入れが難しくなっている。
 先行き大幅な出荷制限の恐れもあり、目いっぱいの仕入れを3年前から続け、約1年分の在庫を持っているが、昨年の5月に仕入れ値が38%アップし、その在庫がとうとう4月末には底をつく見込みとなった。そこで、ご愛飲くださっているお客様には、5月から新価格での提供となる旨の連絡を今日、入れたところである。
 しかし、である。お客様には伝えていないが、今年の5月から再度値上げになり、それも67%アップという酷いものである。約1年後には、お客様にメチャ高い価格で買ってもらわねばならぬ。申し訳ないがいかんともしがたい。果たしてお客様に今後も買ってもらえるだろうか、心配にもなる。
 中国の富裕層の買い占め、そして、彼らの投機目的での抱え込み、ほんと腹が立つ。いいかげんにせえ!である。

<備考:この“腹たち日記”の目的>
 怒りにしろ何にしろ嫌なことは早く忘れるに限ります。その一番の方法は「紙に書く」ことだと教えられました。それを教えてくださったのが、「みやざき中央新聞」編集部の西畑良俊さん。(2013年9月16日号の「取材ノート」の記事)
 詳しくは、下記の記事をご覧ください。
    クリック ⇒ 怒りは「紙に書いて」しっかり解消しよう
 小生とて、腹が立つことは度々あります。そうしたときは、このブログに殴り書きして(キーボードが壊れるぐらいに強く叩いて)ストレスを発散することにします。

 ところで、「腹たち」しなくする良い方法があります。いつも楽しいことを考え続けることです。それを不動のものにするのが「一日一楽」日記を付けることです。これは別立てブログで毎日書いています。脳トレのため「2日前の日記」とともに。ご参照ください。
 薬屋のおやじの“一日一楽”&“2日前”の日記

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